ペット先進国の現状
日本と動物愛護の先進国(アメリカやイギリス)とではまだペットに関する意識に大きな違いがあります。ここでは、イギリスを例にとってみていきます。
ブリーダーについて
日本でブリーダーといえば、犬を繁殖させる人のことだと認識されています。
もちろん誤りではありませんが、本来ブリーダーとは、誕生以前の交配にも責任を持ち、誕生してからも犬を人間社会に無事に送り出すまで、一切の責任を持つプロのことをいいます。
イギリスでは、ブリーディングというのは、一番大変で一番重要な仕事と考えられています。
無秩序に犬を交配させるのではなく、遺伝や母犬の健康状態などを把握した上で、正しい知識と豊かな経験を生かして、犬の幸せを守れてこそ、はじめてブリーダーを名乗れます。
ペットショップについて
イギリスのペットショップでも、犬は売られています。しかし、犬の頭数に見合った大きさのエリアを確保することが義務づけられているので、子犬たちは狭いゲージの中でよけいなストレスをためることはないのです。
いろいろな病原菌から子犬を守るため、入室者の靴底の消毒を徹底させているペットショップも少なくありません。
子犬たちは、プロのブリーダーに見守られながら、飼い主との出会いを待っています。
日本でも、このような高い意識を持って、ペットを販売してもらいたいものです。
イギリスのペットショップには必ずいるはずのコーディネーターも、日本には存在してません。コーディネーターとは、それぞれの犬の情報を確実に伝え、犬と人間との最初の出会いを演出してくれる、いわば仲人のようなものです。
何の予備知識もなしに、簡単に犬が売買されることは、犬にとっても、また人間にとっても非常に不幸なことです。