主な病気と症状 ④高齢化にともなう病気
近年の犬の高齢化にともなって、犬も人間同様、成人病と呼ばれる病気にかかるようになりました。普段から、食事や健康に気をくばってペットライフを一日でも長く楽しめるようにしたいものです。
① 心臓弁膜症
フィラリア症についで犬に多くみられる病気で、とくに左心室と左心房の間にある僧帽弁が閉じなくなって、血液が逆流してしまう僧帽弁閉鎖不全症が多くみられます。
マルチーズ、シー・ズーなど室内で飼う小型犬で多発し、年齢が高くなるにつれて多くなります。散歩したときや夜に苦しそうな咳をして、悪化すると呼吸困難や失神を起こし、そのままにしておくと死に至ります。
② 腫瘍
犬にも、人間と同じようにさまざまな部位に腫瘍ができます。犬の高齢化によって、発症がきわめて高くなり、現在、犬の死亡原因のトップが悪性の腫瘍(ガン)です。
比較的、皮膚などの体全体に発生する腫瘍が多いのですが、メス犬では乳腺腫瘍(乳ガン)が多発します。乳ガンは、メス犬が成犬になる前に避妊手術をすることで、発病を減らすことができるとされています。
③ 子宮蓄膿症
メスの高齢犬にもっとも多い病気で、子宮に細菌が入り、膿がたまってしまうものです。
この病気にかかると、水を飲む量が多くなり、それにともなって尿量も増え、進行すると腹部がはれて、食欲が減退し、元気もなくなります。避妊手術で防げる病気です。
④ 前立腺肥大
オスの高齢犬の半数以上にみられるのが、前立腺肥大です。
初期のころは、ほとんど症状がみられませんが、進行すると、肥大した前立腺が直腸や尿道を圧迫して、排便や排尿が困難になります。