犬の性格と行動
犬の行動や性格について知っておくと、しつけをする際にたいへん役立ちます。犬の習性を利用して、しつけをしましょう。
① リーダーのもとに群れを作って暮らす
犬は、群れを作り、リーダーのもとで生活してきました。
群れで暮らす動物は、一頭で生きることが苦手で、仲間を求めたがるものです。犬がさびしがり屋なのは、きっとそのせいです。
群れの中には順位があって、資格のある者がリーダーになります。犬は、このように自分より順位の高いものに服従しながら、リーダーのもとに協力しあい、群れを守りながら暮らしてきました。
現在、人間と暮らす犬は、それぞれの家庭を自分の群れとみなしています。そして家族に順位をつけ、リーダーを見つけます。
ですから、飼い主は犬のリーダーとして恥ずかしくない言動をしなくてはなりません。
家族の中でリーダーが見つからなければ、犬は本能から、「自分がリーダーにならなければ」と思うのです。
こうなってしまったら、飼い主も犬も不幸です。必ず、飼い主がリーダーであることをしつけで示しましょう。
② 犬は声と体全体で感情を表す
犬は、鳴き声と、体全体で感情を表します。目、耳、顔、体、足の位置、尾など体全体を使って気持ちを伝えようとします。
鳴き声にも、いくつかパターンがあります。淋しい時は、クンクンと甘えた声を出したり、威嚇するときはうなり声を出します。
飼い主は、犬は返事こそ出来ませんが、ボディーランゲージで感情を表していることが次第に分かってくると思います。
③ なわばりを持つ
オオカミの群れは、なわばりを作り、そのなわばりの中で休息をしたり、子供を育てたりします。なわばりの中は、安心していられるエリアです。
なわばりを守るために、ほかの群れのオオカミが侵入しようとしたら、必死に追い払います。現在の人間に飼われている犬は、家の敷地内をなわばりだと思っています。
ですから、敷地内に侵入するものは吠えたり、噛み付こうと威嚇をするのです。
④ なわばりは尿で守る
なわばりの周囲には、自分たちのにおいを残し、侵入者に「ここには自分たちがいるから入るな」というメッセージを残します。
この行為をマーキングといいます。マーキングも、なわばりを守るための行為です。
⑤ 遠吠えをする
遠吠えは、イヌ科の動物やオオカミの間では、長い距離の情報伝達手段として使われています。本来は、群れからはぐれたときに遠吠えをします。
あなたは、パトカーや救急車のサイレンが聞こえると犬が遠吠えを始め、そのうち町中の犬の遠吠え合唱が聞こえ始めたという経験はありませんか?
これらの行動は、音の高低が仲間の遠吠えに似ているからだといわれています。